東京高等裁判所 昭和26年(う)1586号 判決
原判決が被告人木野内に対する処断刑を算定するにあたりそのいずれの罪につき定めた刑に併合罪の加重をしたかを明示していないことは所論のとおりである。しかしながら、刑事訴訟法第三百三十五条第一項によれば有罪判決には法令の適用を示すことが要求されているのであるが、原判決にはこの点につき刑法第四十五条前段第四十七条第十条が掲記されているのであつて適用法令の摘示に遺脱はないし、原判決が同被告人の所為に擬律した、刑法第二百八条所定の懲役刑と第二百四十九条第一項所定の懲役刑と第百六十九条所定の懲役刑とのうち最後の罪の刑が最も重いことは見やすいところであつてあえて特段の説明を要する事項ではないから、この軽重の点についての説明が省略されているからといつて判決の理由に欠くるところがあるともいえない。よつて原判決には所論のような違法は存在しないから、論旨は理由がない。
(註 本件は量刑不当により一部破棄自判)